わたしと一つになればいいよと石切丸は言った。わたしは神剣、幼子を切った君でも、数百年かすればといわず、今すぐ神剣になれるよ。
 そうだねとぼくは言った。武器の本分を忘れた君の、唯一の欠点もこれでなくなるわけだ。やったね。ご立派だね。
 僕は君に、君は僕に。欲しいものを与え合って、二人で幸せになろうよ。
 そういうの完璧すぎるから困るよね。
 だってぼくが神剣になれば、君はお払い箱。君が武器の本分を思い出せば、ぼくは捨てられる。
 だからね、僕は神剣になれないし、君は武器の本分を忘れたまんま。
 困るよね。とぼくが言ったら、君は笑って言った。
 でもまあいいかな。なんてね。
 適当だなぁと呆れても、箱入りの神剣さまはにこにこ笑ってる。
 ここはぼくが止めるべきなのかな? と思ったけど、笑ってる石切丸が綺麗だったから、やめた。
 裏切ったら殺すからねとぼくが言うと、いいよと石切丸が応える。
 嘘だけど。
 ぼくは石切丸を殺せないし、石切丸はそれを知っているし、そういう嘘も楽しいから困るよねとぼくが言うと、石切丸が頷いた。





2016.06.26 UP
発出 2015.10.27 にか石ワンライ お題「共依存」


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