たとえば僕が折れたら、君が最後に見るのは僕の笑う顔であってほしい。
その時が来たら、猫が死ぬときみたいにひっそりと一人で受け入れるつもりだから、普段が肝心だ。
いつその時が来てもいいように、僕は今日もにっかり笑いながら意味深なことを言って石切丸を呆れさせる。
僕が折れたら、きっと優しい君は悲しむだろう。でも、僕が折れたって世界は回るし、時間遡行軍は攻めてくるし、おなかも減る。
君が悲しむのは嫌なので、なるべく忙しいほうがいい。僕のことは早めに日々の雑事に紛れて忘れて欲しい。
そうして「僕」と「悲しみ」が君の中で分かれるまで待つよ。
月日がたって、君の悲しみがすっかり癒えた頃、ふと、大きい馬だとか、女幽霊だとか、石灯籠なんかを見て。
青江くんはやたらニヤついていたなぁとたまに思い出してくれれば嬉しい。
終
2016.06.26 UP
発出 2015.09.03 にか石ワンライ お題「笑う顔」
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