すまなさそうな顔をして、無理させてごめんと青江くんは呟いた。
 いいんだよと言って笑うと、ほっとした顔をする。
 青江くんに応えようと無理な体勢をとったせいで体はあちこち痛いし、声はかすれてしまっているし、体の奥にまだ甘い痺れが残っている。
 さっきまでそこにいた青江くんを私の体はまだ忘れていない。
「しばらくぶりだったから、我慢できなくて」 
「うん、私もだから」
 夜戦や遠征で忙しかったからと私が言うと、会えない時にいろいろ考えすぎてしまうのだと青江くんは言った。
 「君への気持ちがすぐどろどろになってしまうんだよね」と青江くんが膝を抱えて私を見る。首を傾げたそのしぐさが妙に子供っぽくて可愛かった。
 さっき食べた氷菓みたいに、食べるまで凍らせておければいいのに。
 青江くんがそうぽつりと呟くので、手を伸ばして顔に触れ、指の背で頬を撫でる。
 すぐに食べたい時は? と私が聞くと、青江君がふふっと笑った。さきまでの子供っぽい顔はどこへやら、急に悪い顔をして、私の上に圧し掛かる。 
「口の中に入れて、君の体温で溶かして欲しいな」
 じゃあ、今すぐそうするよ。
 私はそう言って、上から覗き込む青江くんを引き寄せてキスをした。




2016.06.26 UP
発出 2015.07.20 にか石ワンライ
お題 「氷」

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