夜来香Rendezvous










 イエライシャン 月に切なくも 匂う夜来香


 ガンプラを作りながら口ずさんだケロロの歌に、タママが不思議そうな顔をする。

「李香蘭って知らない?」

 ケロロの問いかけに、タママが首を振る。


 夜に香る花。夜来香。

 夜来香を見に行こう。

 ケロロの言葉に、タママは嬉しそうに頷いた。

 目指すは、日向家より少し離れたところにある中国風の庭園。そこに夜来香があると前に冬樹が教えてくれたのだ。




 タママが嬉しそうにはしゃぎながら、フライングボードでくるりと一回転した。ジグザグで飛んだり、急にスピードを上げたり、速度を落としてケロロの後ろにつけたりしている。

 

「ナニそんなに嬉しそうなの?」

 ケロロの隣にぴったりと円盤をつけ、心から嬉しそうな顔でケロロを見ていたタママが、ケロロの問いにぱあっと笑顔で返した。

「だって軍曹さんと夜のデートですぅ! なんか、こんな時間に軍曹さんと一緒にいられるんなんてドキドキしますねぇ」

「一緒にいられるだけで嬉しいの?」

「すっごく嬉しいですぅ」

 にこーっと笑い、タママははしゃいだ声でそう言った。

 ケロロが聞かずとも、タママは楽しくて仕方が無いのだと判る。それでも聞いたのは、判っていてもなんとなく確かめたかったからだ。

「タママは素直でありますなぁ」

 ケロロが独り言のように呟くと、タママがふふっと笑った。

「欲しいものは欲しいと言ったほうが勝ちってユーミンも言ってるですぅ!」

 元気よく言ったタママに、ケロロが聞く。

「怖くないのでありますか?」

「え?」

 よく聞けば、ケロロの声がいつもより真剣なことに気がついただろう。だが、浮かれているタママはそれに気がつかない。

「自分の気持ちを剥き出しにするのって、勇気いるでしょ? 傷付いたり傷つけたりするじゃない」

 じっと前を見ながら言うケロロを、タママが不思議そうな目で見る。

「自分誤魔化した方が楽でしょ、実際」

 ようやくタママのほうを向いて言ったケロロに、タママがうーんと首をかしげた。

「あんまりそんな事考えた事無いですぅ」

 ケロロがどうしてそんなことを心配しているのか、タママには良く判らない。

「そりゃ傷つくのも傷つけるのも嫌ですけどぉ、それを怖がってなんにもできないのはもっと怖いですぅ。何かをゲットしようとするのに自分が傷付かずにいたいなんてせこい事、ボク思わないですよぉ? ていうかそんな器用な事ボクには無理ですぅ」

 言っててちょっとかっこ悪いですぅ。と思ったけれど、タママは素直にケロロにそう言った。

「それが大事なら大事であるほど、ボクはぼろぼろになってそれを掴みますよぅ! 悲願達成には困難が多い方がいいんですぅ〜」

 きっと目を吊り上げて、タママらしい前向きな言い方をして、ケロロの方を向く。

「ふうん……」

 ケロロが、タママの言葉に考え込むように無口になった。

 軍曹さん、何が言いたいんですぅ?

 ケロロは説明しようとせず、タママの疑問はますます深まる。

「かっこ悪くてもズタぼろになってもこれがボクですから! どん底に落ちたら何度でも這い上がればいいんですぅ。そのうち筋肉もついて一石二鳥ですよぉ?」

 そう言ってケロロににっこりと微笑みかける、タママの強さ。

「でもさ、自分の気持ちをセーブするって言うか、相手が大事だから我慢するとかってあるじゃない?」

 ケロロが、タママに少し反論するように言った。

「そんなのできないとかやってない言い訳ですぅ。傷つくのが怖くて自分に言い訳してるだけですぅ。ボク、努力だけは惜しまないつもりですよぉ」

「言い訳、ね。人の気も知らないで言ってくれるであります」

「どうしたですぅ? 軍曹さん」

「別にー」

 でもなんか怒ってるですぅ? 軍曹さんの考えている事、全然判んないですぅ。

 そう思って、タママは顔をしかめた。


 ただなにか、ケロロが隠しているのだけは判る。

 でもそれがなんなのか、タママには見当もつかなかった。



「わぁ、まんまる綺麗なお月様ですぅ」

 フライングボードを茂みの中に隠し、出てきたタママが空を見上げて言った。

 花の香り、小さな滝や池、池に張り出す六角形をした中国風の東屋。

 それらが、こうこうと輝く月の下でひっそりと二人のケロン人を迎える。

「満月でありますか……」

 ケロロも月を見上げ、タママはそんなケロロをこっそり見つめる。

 ずっと一緒にいたい。

 強くそう思っていると、タママの視線に気がついたケロロが、タママのほうを見て、お互いじっと見つめあう。

「なんだが酔っちゃいそうですぅ」

 なんだか気恥ずかしくて、目をそらしながら誤魔化すようにタママがそう言った。

「うん、そうだね……」

 タママの言葉に、ケロロがゆっくりと頷く。

「ゆっくり……行くであります」

 そのケロロの一言に、タママの心臓がドクンと大きく脈打つ。

 軍曹さん、きっとボクと一緒にいたいと思ってるですぅ。

 なぜだか判る。きっとそうに違いないと確信している。

 ケロロの気持ちが嬉しくて、同じ気持ちでいるのが嬉しくて、心が通じ合ったのが嬉しくて。

「はいぃ!」

 明るい声で返事をするタママの顔が輝いた。




 二人で庭園の中をあちこち探す。むせるような甘い花の香りはするが、肝心の花が見つからない。

 黄色い、つる性の植物。それだけの知識しかないまま、いくら月が出ているとはいえ夜中に探しに来たのは無謀だったのかもしれない。

 石で出来た龍や鳳凰にはしゃいだり、夾竹桃の花を指差したり、池にかかった橋に喜んだりしているうちに、月も西へ傾き始める。



「月明かりがあるとはいえ、なかなか探すの難儀だねぇ〜。もう諦めちゃおうか? 匂いは堪能したしさ」

「いいんですかぁ? 軍曹さん」

「なんか、満足したからいいであります」

 いつもなら、目的が達成できなければ子供のように駄々をこねるケロロがそう言った。その言葉は、見つけられなくて言った投げやりな言葉ではない事が、ケロロの口調から判る。

「タママとこうして居られたしね」

 そう言って、ケロロがタママに悪戯っぽく笑った。

 いつのまにか、ケロロの中で気持ちが変わってきたのだ。

 花を見つけることよりも、タママと一緒にいるのが心地よいと思う気持ちのほうが勝っている。

 タママと月を見て、二人で手を繋いで、夜来香の香りに包まれた夜の庭園を歩く。

 いや、本当のことを言えば、夜来香なんて最初から言い訳だったのかもしれない。

 タママを夜のランデブーに誘うための。


 どんな小細工したって、タママには適わないであります。 

 どんなに自分を誤魔化そうと思ったって、タママは我輩の中に入り込んでくるであります。


「軍曹さん、どうしちゃったですぅ? 黙り込んじゃって」

 何も言わず、自分をじっと見つめているケロロに、タママが首をかしげながら言った。

「いやごめん考え事であります。疲れたでしょ? あそこでちょっと休憩するであります」

 池に張り出した中国風の東屋を指差し、ケロロがタママの手を引いて歩き出す。

「今日の軍曹さんおかしいですぅ」

 ケロロに手を引かれ、素直に後をついていきながら、タママがそう言う。

「どうせ変ならとことん変になっちゃおうかなぁ」

「はぁ?」

「いやこっちの話であります」

 かしげた首の角度がますます深くなるタママをよそに、ケロロはよいしょっと東屋の腰掛によじ登った。

 そこからは庭園が一望でき、池を見ると、鏡のような水面に映る大きな月が見えた。

「どお?」

 池を眺めながらポーズをとるケロロに、タママがはしゃぐ。

「かぁっこいい! 中国の皇帝みたいですぅ!」

「んじゃタママは、後宮三千人の美女の中から皇帝の寵愛を受ける美姫ってとこでありますな?」

「ロマンティックですぅ〜。馬超と呼んでほしいですぅ!」

「馬超は美姫じゃないでありますよタママ……」

「んじゃ呂布!」 

「ますます遠ざかったであります……」

 どこかずれた会話を交わしていると、さぁっと風が吹いた。

「あ……」

 ふっとケロロの姿が陰り、タママが驚いた声を上げる。慌てて空を見上げると、真っ黒で何も消えない。

 大きな雲が月をさえぎると、あたりは夜本来の姿取り戻し、闇に包まれる。

 手を伸ばせばすぐそこにいたのに、今は何も見えない。


 むせるような沈香の、夜来香の香り。


「軍曹さんどこですかぁ〜?」

 夜来香の香りが甘く濃く漂う暗闇の中で、タママが心細さでいっぱいになりながらケロロの名を呼んだ。

 夏の夜の濃密な空気がタママに押し寄せる。甘い香りが肺に絡みつき溺れそうになった。


 このまま軍曹さんがいなくなって一人になったら……。

 埒も無い想像に一層心細くなり、まるで子供のようにケロロの名を呼ぶ。


「タママ、ここ」

「どこですぅ〜?」

 闇の中から想い人の声がし、タママが声のする方へ必死になって闇雲に手を伸ばすと、不意に手を掴まれ、ぐいっと引かれた。

「わっ!」

 何かにぶつかり慌てて暗闇なのに反射的に目を瞑る。幸い、ぶつかったものは柔らかくて、大した衝撃もない。


 えっ……!


 暗闇の中でタママの体を誰かの腕がぎゅっと抱きしめる。苦しいほどに。


 誰かに抱きしめられているんだとはっとした瞬間、雲が切れ、さあっと月の光が差した。

 軍曹……さん?

 信じられない気持ちで、タママがすぐ上にあるケロロの顔を見上げた。

 タママを抱きしめる腕の持ち主はケロロ。

 月の光が、再び翳る。

 月を隠す雲でなく、近づいて来るケロロのせいで。


 あ……。


 戸惑いながらも、自然に瞼をゆっくりと閉じ、ケロロを受け入れる。

 優しい口付けは、今まで一度もケロロがくれたことが無いものだった。

 部下として大切に思ってくれているとは感じていた。

 好きだと何度言ってもはぐらかされてきた。


「どうして……?」

「…………もう我慢するのは止めであります」

 月の光で辺りが再び明るくなった時、惚けた様になったタママにケロロがそう言う。

 潤んだタママの目がケロロをじっと見つめている。ケロロは答えずに、タママをそっと押し倒した。

 ケロロの目に、戸惑いと期待に満ちた目でケロロを見上げるタママが映る。

 タママの目に、ケロロと、その頭上に月が見える。

 ケロロがもう一度優しくタママに口付け、首筋にキスを落とした。

 沈香の香りが濃くなる。月が霞む。

「軍曹さぁ……ん」

 ケロロを呼ぶタママの声の語尾が甘く震え、タママの腕がケロロの首に回り、自分へ引き寄せるようにケロロを抱きしめる。

 若く伸びやかな体のあちこちに優しくキスを落とすと、タママの喘ぎ声があがる。

 今まで誰にも聞かせた事無い、幸せに満ちた震える甘い声。

「抵抗しない……んでありますか?」

 じっと大人しく体を任せているタママの耳元でケロロが囁いた。

 耳を擽るケロロの息に、タママの体がびくっと動く。

「いいの?」

 目を覗き込みながらケロロがそう言うと、タママが戸惑いながらこくんと小さく頷いた。

 少し怖いのかかすかに震えながら、タママの目がケロロを待っている。

 密着した部分から、タママの体の震えと体温を感じる。

「ダメでしょ、抵抗しないと」

 呆れたようにため息をつき、ケロロがそう言ってタママを抱きしめる腕を解いた。

 あ……と小さな声をあげて、タママが悲しそうな目で離れていくケロロを見る。

「もっと自分を大事にするであります」

 諭すようにそう言うと、タママの大きな目からぽろぽろと大粒の涙が流れた。

 軍曹さんにしてもらえなかった。

「軍曹さん、やめちゃわないで下さいですぅ……。もっとして欲しいですぅ」

 あそこまでしておいて止めてしまうほど、自分には魅力が無いのかと悲しくなる。

 ケロロに相手にしてもらえない自分がなさけなくて悲しくて、感情と共に涙が溢れて来た。

「あんまり挑発しちゃダメであります、タママ」

 コンと優しくタママの頭を小付き、ケロロがそう言ってタママに背を向けた。そのまま歩き出すケロロの後を、絶望に満ちた目でタママが追う。

「ん」

 先を行くケロロが急に立ち止まって振り返り、タママに手を差し伸べる。ごく自然に差し出されたその手が嬉しくて、慌ててタママは涙を拭い、起き上がった。ケロロの手を取ろうと自分の手を差し出す。その手をケロロが優しく握った。

「だって、あんな所で初めてじゃタママが可愛そうでしょ?」

 手を繋いで歩き出したケロロが、タママに背を向けながらそう言った。

 大好きな人の後姿を、タママがじっと見つめる。

「その場の勢いじゃなくてさ、ちゃんとしたいじゃない、やっぱり」

 かすかに照れの混じったケロロの声。タママの顔を見ないんじゃなくて、見られないのだ。

「じゃ、じゃあ」

 ケロロの言葉に、タママの顔がぱぁっと明るくなる。

「うん、帰ってからね。ちゃんとしよう」

 立ち止まってケロロが振り返り、タママにそう言った。

 ケロロの顔が真っ赤で、それがケロロが本気なのだと判り、つられてタママも赤くなる。

「嫌なら今言って。部屋帰ったら我輩襲っちゃうよ」

「嫌じゃないですぅ!」

タママの返事に、ケロロが繋いだ手をぎゅっと握る。

二人が一緒の気持ちなのだという幸せ。繋いだ手からどっと幸せがタママの中に流れ込んできた。

「軍曹さん、ボクすっごく嬉しいですぅ。胸がドキドキして、手が震えてますぅ」

「我輩も」

 言葉とともに、ぎゅう。とますます強く手をつながれる。

 幸せにくらくらしたタママの目が、ふと視界に映る黄色い花をすばやく捉えた。

「あ、夜来香」

「おお!」

 タママの声に振り返ったケロロの目に映ったのは、夜来香の黄色い花。あたりに漂う香りの強さで、その花がそうだとすぐ判る。

 しばらく二人して、夜来香を眺める。傾きかけた月明かりの下で黄色い花はひっそりと開き、むせ返るような甘い匂いを放っている。

「良かったですねぇ、軍曹さん」

 タママが嬉しそうに言い、ケロロの顔を覗き込んでにっこりと笑った。

「目的も達成されたしぃ、帰りましょ!」

 手を繋いで歩き出したタママの手が、ぐいと後ろに引かれる。慌てて振り返ると、ケロロは歩き出そうとせずに、夜来香の前に立ち尽くしていた。


「軍曹さん?」

「もう遅いからね」

「え?」

 いきなりそう言ったケロロにタママが目を丸くすると、ケロロが一方的に言葉を続ける。

「もーこの先はタママの知らない我輩でありますよ? 上官でもないし、大人でもないし。我輩本気にさせたの、タママなんだからね」

 そう言って、ケロロはぐいっとタママを引き寄せた。

「我輩の事嫌いになっても、もう許してあげない。離してあげないからね」

「嫌いになんかならないですぅ!」

 ケロロの言葉に、タママが声を張り上げた。語尾がかすれ、見る見るうちにタママの大きな目から涙が溢れる。

「凄い涙でありますな……」

「だって嬉しいんですぅ」

 顔をぐちゃぐちゃにして涙ぐむタママを見て、ケロロの口元がふっと笑った。

「部屋に帰ったら、ロゼシャンパンにイチゴをタママのために準備してあげるであります」

 よしよしと優しく頭を撫でてやりながらそう言う。

可愛い恋人のためにケロロが最初にしてあげる事。

「夜明けのコーヒーもですぅ」

 バレンタインデーにはチョコを、クリスマスにはディナーを。記念日にはお花を買って、休みの日は昼までベッドでいちゃいちゃ。

そういう「ちゃんと」恋人らしい事。をしてくれるつもりらしいケロロの意図を察し、タママが泣き笑いの顔でそう言うと、ケロロも笑った。

「そうそう、そういうやつであります」

 そういうベタな演出も、二人なら楽しい。

 大人と子供だから。上官と部下だから。恋人だという事を忘れない為にも。

 いままではぐらかしてきた分、ちゃんとらしいことをしてやろうとケロロは思ったのだろう。

 甘い囁きも、シャンパンにイチゴも、夜明けのコーヒーも。

 ケンカも、すれ違いも、嫉妬も、喜びも。

 倦怠期も浮気も当て付けも嫉妬も仲直りも。

焦らず、ゆっくり、大切に。これから全て味わうのだ。

 ケロロの想いが嬉しくて、ケロロの声が優しくて、繋いだ手が暖かくて、タママの胸が甘く締め付けられる。

 ケロロがゆっくりと歩き出した。

 手を繋いで少し後ろをタママが付いていく。

 いつまでもこうして手を繋いで歩いていたいという気持ちと、急いで走っていきたいという気持ちが胸の中でせめぎ合い、よけいにタママを幸せな気持ちにさせえる。

「軍曹さん」

 囁くようなタママの声に、振り返らずにケロロが言った。

「なんでありますか?」

「好きですぅ……」

「聞こえな〜い」

 くすくす笑いながら、ケロロが冗談めかしてそう言った。

「もう一回言って」

 ケロロの意地悪にもタママが素直に言う。

「好きですぅ」

「聞こえない。もっと大きな声で言って」

「好き」

「ウンウン。も一回」

 何度もタママにそう言わせるケロロの優しい笑みを月が照らす。夜来香の香りが二人を包む。

ケロロの優しい意地悪で何度も同じ言葉を囁くタママの涙に、キラキラと月の光が反射した。


            



ENDE







おまけネタ



「すぐ、心変わりするだろって思ってたであります。我輩に好きって言ってるのは、憧れの延長みたいなもんだろうって、思ってたんであります」

「その時さ、安易に我輩がタママの気持ちに答えちゃってたら、我輩も傷つくし、タママが後悔すると思って。うん、好きって言われて悪い気はしなかったのは本当でありますよ」

「でもね、タママ凄く一生懸命で可愛いから」

「なるべく考えないようにって思ってたんだけど、も、気がついたらね」

「我輩も、タママのこと好きになっちゃったんであります」

「もう、どうしようって」

「側にいるのに、触ってって、涙目で訴えてるのに。触れたくても、触れられないって」

「凄く辛いよ。知らないでしょ、そんな気持ち」

「なのにまぁ、よく我輩挑発してくれたよねぇ。悪魔に見えたよ」

「だからね、我輩はものすごく我慢していたのであって」

「多分、枷はずしたら止まらなくって」

「だから、戻るなら今しかないでありますよ。ギリギリ、今でさえもうだめかもしれない。嫌なら全速力で逃げた方がいいであります、うん。これ我輩の最後の良心で言うんでありますけど」

「もう後はね、年下だからとか部下だからとか無いよ。我輩タママ手に入れるなら何でもするよ、汚い事もね。知らないでしょ、そんな我輩」


「さぁタママ、どうするでありますか?」



ENDE


20090711 UP
初出 20060219発行 Keron Attack! Z

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