Two Fighters Red&Bluck








 熱い。目の前の景色がぐにゃりと溶けた飴のように歪む。頭が熱で浮かされる。

 太陽の熱で熱せられ、異常な高温になったコンクリートからの輻射熱がじりじりと肌を焼く。

 空気が乾いている。埃っぽくて喉がいがいがする。口の中が乾いてかさかさする。


 意識が朦朧とする。


 何も聞こえない。

 無音の世界。


 視界が反転しそうになった時、遠くから声が聞こえてきた。


「ママ……」

 

 誰?


「ママ、二等兵……」


 なんですぅ?


「タママ二等兵!!」


 怒鳴り声が耳元で炸裂し、タママがはっと手放しかけた意識を取り戻した。

「は、はいですぅ!」

「ボーっとするな! ここは戦場だぞ!」

 崩れかけたコンクリートの壁に隠れ、サブマシンガンを撃ちながらギロロが言う。


現実世界には音が氾濫していた。


ギロロのサブマシンガンの音、敵の撃つライフルの音、着弾し、ピシッと崩れるコンクリートの音。敵兵の悲鳴、薬きょうが固い床に落ちる軽い金属音。


死の音に満ちている。


サブマシンガンを撃つのをやめ、ギロロが手榴弾を取り出した。相手を良く見ながら、タイミングを計って口で手榴弾のピンを咥えて外し、ひゅっと敵に向かって投げつける。

恐ろしいばかりの飛距離と正確さでその手榴弾は敵にプレゼントされ、また大きな爆発音と大きな煙が上がる。

「走れぇッ!」

 巻き起こった煙にまぎれて二人のケロン人が飛び出した。タママはまた言われるがままに数十メートルを命がけで走る。

 タンタンタンタン! と銃を撃つ音が追いかけてきたが、二人はなんとか無傷で崩れかけた建物の中へ逃げ込む。




「これで少しは時間が稼げる」

 ……といっても敵が援軍を呼びここを包囲する間の僅かな時間だがな。

 心の中で呟いた言葉は口には出さず、ギロロはいいことだけを口にした。

「戦場にでるのは初めてだったな?」

 壁にもたれ、荒い息をついているタママを見てギロロがそう言った。

 ギロロの方は、息も乱していない。

 タママは恐怖で呼吸がむちゃくちゃになり、そのせいでかなり疲労の色が濃い。

「はい」

 声が出ないのを押して無理やりタママが言い、戦場の中で平然としているギロロを見て涙ぐんだ。

 あまりにもギロロが平然としているので、タママの心の緊張がぷつりと切れる。

「こ、こわい……ですぅ」

 恐怖の色を浮かべて目を見開き、ガタガタと震えるタママの前に膝を付き、ギロロが目線の高さを合わせた。

「しっかりしろ! 俺たちは基地までたどり着かなきゃならないんだぞ!」

 肩を掴んで揺さぶり、タママを励まして言うが、タママは目に涙を浮かべたままぶんぶんと首を振った。

「無理ですぅ!」

 悲鳴のような声を上げ、わっと泣きじゃくる。


 新兵を戦場に慣れさせる為の、軽い斥候。

 そのはずだった。


 この方面には敵はいない。その情報を信じ、タママを連れてきたギロロが見たのは、崩れた街に潜む大勢の民兵。

 なんとか乗ってきたヘリまでたどり着き脱出を図りたい。

 だが、最悪、頼みのヘリがすでに敵の手に落ちているということも考えられる。


 初めての戦闘にしては、ちょっとハードだったかもしれん。

 だが、これぐらいで弱音を吐かれては困る!


 ギロロがそう思ってタママを見るが、タママはギロロの期待とは裏腹に、歯をがちがち言わせている。

「ここまで、ここまで、助けにきてくれないんですかぁ? ボクもう動けません。ココにじっとしてましょうよぉ!」

 確かに、タママが言った選択肢もある。だがあえて、ギロロはその選択肢を取らなかった。

 相手は寄せ集めの民兵、数が怖いが、正規の軍人に比べれば性能はだいぶ劣る。

最終的にタママを連れて帰還できない様なら、救助を要請するつもりだが、ギロロはこの一件でタママを見極めようとしていた。

大役を与えられれば、無理やりにでも成長する。

 逆にこれぐらいの事を乗り越えられない様なら、ケロロ小隊の一員として不適格だ。

「軍曹さぁん、たすけてぇ……」

「甘ったれるな!」

 震える泣き声を上げたタママを、ギロロが怒鳴りつけた。

 その声の恐ろしさに、ビクッとタママの体が震える。

 本当は一刻も早くここを移動したい。泣きじゃくるタママを殴ってでも言う事を聞かせるか、二人で脱出する事を諦めてさっさと救助を要請した方がいい。

 だが、ギロロはどちらの選択肢も取らなかった。

 タママの為に。


「戦況は俺たちのほうが有利だ!」

「どこが有利なんですかぁ!!」

 タママを説得するように言ったギロロの言葉だが、返ってきたのはタママの反発だった。

「弾薬はまだたっぷりある、お前も俺も五体満足だ。なにも敵の陣地につっこめってんじゃない。生きて味方の元にたどり着ければ良いってだけの話だ。簡単だろうが!」

「簡単じゃないですぅ! そんな事簡単って言えるのはギロロ先輩だけですぅ! ボクには無理ですぅ!」

「気持ちを切り替えろ! 歯を食いしばれ!」

 怒声と共に、タママが殴られて吹き飛んだ。

「俺と貴様ならやれるはずだ。タママ二等、お前は強い!」

 吹き飛んだタママの手を取り強引に引き起こし、強烈な頭突きをかましながらギロロが叫ぶ。ゴッと鈍い音がしたが、パニックに陥っているタママは痛みを感じる暇もない。

「でもっ、ボクっ、怖くてッ、ギロロ先輩の足引っ張ってばっかりでっ!」

 額と額をくっつけあい、至近距離で自分を睨みつけるギロロの目を見返し、タママが必死に言う。

「頼む。お前はできる。このままじゃ俺もお前もくたばるぞ!」

 懇願するようにギロロがそう言った瞬間、空気を切り裂く鋭い音が二人の耳に届いた。

「来た……っ」

 重い装備を抱えたまま、ギロロがタママを抱きかかえ跳躍する。

 凄まじい爆裂音のあと、先ほどまで自分たちがいた場所にあいた穴を見て、タママがぞっとする。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

「呼吸を整えろ」

 恐怖のあまり息を乱すタママに、ギロロが冷静に命令した。


 この人は、こんな時にどうしてそんなに冷静で、タフなんですぅ?

 赤い悪魔の二つ名を持つ男の実力と、不甲斐ない自分の格差を思い知らされる。


 気が付けば手のひらに汗をぐっしょりかいていた。背負った装備が肩に食い込む。

 火薬と血のにおい、舞う埃、口の中に入ってくる砂、耳をつんざく爆発音、人々の悲鳴。

ここが、戦場……。

 朦朧とした頭で、強烈に思い知らされた。


 訓練所とは、違いすぎるですぅ。







「くそっ、泣きたいぜ」

 ギロロが吐き捨てるようにそう言った。

 戦況にではない。

タママを上手く誘導してやる事ができない自分にだ。

 これがケロロなら……。と何度も思った。

 タママと一緒にいるのがケロロなら、きっともっと上手くやる。もっと上手く二等を使うだろう。

 スマン、タママ二等。

 心の中でそう呟き、ギロロがぐっと歯を噛み締めた。


「泣きたい?」

「ああ、泣きたいねっ!」

 聞き返したタママに、余裕無くギロロが言い返した。

 もっと酷い戦況などいくらでもあった。一人で脱出するのなら簡単だ。だが、タママを上手く使う事ができない。それがギロロを焦らせる。

「ギロロ先輩がですかぁ?」

 戦場とは思えぬほどのんびりした会話の非現実的な感じに二人は気付かない。

「泣いてどうにかなるもんだったら、わんわん泣いてやるっ!」

「アハ」

 タママの顔から、戦場には似つかわしくない笑みがこぼれた。

 腹を抱え、くくくっと声を漏らして笑いを堪えているようだが、堪えきれずに体を震わせる。

「……どうした?」

 ついに精神がいかれたか? と思い、ギロロが声をかけると、タママが目に浮かんだ涙を拭った。

「ギロロ先輩がわんわん泣いてるの想像したら、おかしくって」

 何を想像しているのか、うーっくっくっくと目に涙を浮かべるほど笑っている。

「そうか……」

 上官に対して不敬な発言だったが、ギロロが怒れずに間抜けな返事を返すと、タママが不意に軍靴の紐をぎゅっと結びなおした。

 そのてきぱきとした動きに、ギロロが軽く目を見開く。

「ありがとうございます。ボク、もう平気ですぅ」

 自分のサブマシンガンを持って立ち上がったタママの顔に、もう先ほどまでの弱気な表情は無かった。


 こいつ、意外と図太い奴かもな。

 ギロロがそう思って見つめていると、やっと気持ちの切り替えが上手く行ったタママが、深く深呼吸している。

 闘志を高めているのだと見るだけで判った。タママの目にギラギラとした光が宿り、ときおり開けた口の中で、小さなエネルギー波が外へ出たがってパチっと音を立てる。


「……何が幸いするのかわからんものだな」

 ギロロが「化けた」タママを見て小さく呟いた。


 若い奴はこれだから面白い。何かのきっかけで急激に伸びる。

 そう思った時、ギロロの鋭い目が隣の建物から敵がロケットランチャーをこちらへ打ち込むのをとらえた。

「タママ二等……ッ」

 慌ててタママに叫ぶのと、タママの口からエネルギー波が放たれるのはほぼ同時だった。

「タママァ、インパクトォーッ!!」

 タママの口から放たれた高エネルギー波が、飛んできたランチャーの弾を溶かして無力化し、そのまま敵兵へと襲い掛かる。

 それだけでは飽き足らず、エネルギー派は建物の壁を大きく瓦解させ、ようやく荒れ狂うのをやめた。

重さを支える壁を崩された建物が、自重に大きく崩壊する。

 恐らく、あの建物の中に待機していた十数人の兵は、建物の下敷きで戦える状態ではないだろう。

 ギロロの予想通り、あたりはしんと静まり返った。

 周りにうじゃうじゃといる敵がまた二人を囲むのは時間の問題だろうが、とりあえず眼前の敵は駆逐したのだ。


「こりゃ凄まじいぜ」

 一瞬のうちに崩れた建物を見て、ギロロが思わず呟いた。話は聞いていたが、ここまでの破壊力とは思わなかった。

「ボク外見てきますぅ」

 けろっとした顔で明るくタママがそう言って、ギロロから離れ、入り口からそっと外を覗く。

 遠くからすかさず撃ってきたのを見てさっと身を潜め、タイミングよく反撃する。

 それを横目で見ながら、ギロロがこっそりとちいさな通信機を口元へ持っていく。


「こちらギロロ、聞こえるか?」

「こちらケロロ、よく聞こえる」

 意外なほどクリアに聞こえるのは、基地で待機しているケロロの声。

 妨害電波も何も無いようだ。

 多分、クルルが上手くやったのだろうとギロロは想像した。


「貴様のタママ二等な」

「うん」

「化けたぞ」

 ギロロが言うと、ハァーと通信機の向こうでケロロの安堵したため息が聞こえた。多分、心配で心配でたまらなかったのだろう。


 すぐに救援に行くと言ったケロロに、二人で脱出すると進言したのはギロロだった。

 渋るケロロを、ギロロが説得したのだ。


「どうやら二人でいけそうだ」

「ギロロ」

「ん?」

「ありがと。タママ頼むよ」

「了解」

 ケロロの言葉に余裕の表情で笑ってギロロは言い、通信を切った。

 通信機をしまい、大股でタママに近づく。

 タママを掴んで、だんと壁に押し付けた。


「俺はな、今ここで一緒にいるのが貴様でラッキーだと思っている。生きて帰れるからな! お前も俺と一緒でラッキーだ、そうだろ? 俺たちは生きて帰る。復唱しろ!」

 噛みつかんばかりの勢いで言われ、きょとんとしていたタママの顔が、ギロロの言いたい事を理解して、きっと目を吊り上げる。

「ボクはギロロ先輩と一緒でラッキーだったですぅ! ギロロ先輩もボクと一緒でラッキーだったですぅ! ボクたちは死んでも生きて帰るですぅ!!」

 ギロロに負けじと大声で復習したタママに、ギロロが満足そうに頷いた。


 これがケロロだったら。

足を引っ張るから。


そんな無駄な考えは捨てた。

 この二人こそがベストだと言い切れる。全力で任務を遂行する。


「よーし、その意気だタママ二等兵!」

「行きましょう! 軍曹さんのところに帰るんですぅ! 邪魔するものは皆殺しですぅ」

「おう!」

 再びサブマシンガンを手に飛び出して行ったタママを、ギロロが援護しながら、二人は走った。

 もうすぐ市街地を抜ける。そうすれば戦闘に不慣れな民兵達は追っては来るまい。


 自分でも驚くほど力が溢れ、頭はクリアになり、全てがよく見える。考える前に体が動く。


絶好調の証だ。

 

 そうだ、これだ。と体中の血が叫んでいる。


 しゃがみこんで助けを待つなんて、自分の性に合ってない。がむしゃらに前へ進むのが自分の信条だったはずだ。


 何が何でも帰るのだ。とタママは思った。

 大好きなケロロの元へ。







「ずいぶんと楽しいピクニックだったんだってぇ?」

「おかげさんでな。諜報部の能無しどもに楽しかったと伝えておいてくれ」


 命からがら逃げ出し、基地に着いた二人をまず出迎えたのはクルルだった。にやにやと嫌な笑いを浮かべながらそう言ったクルルが差し出した手を、ギロロが通り過ぎざまタッチした。

 パン! と言う軽い音がした後、次にクルルが自分に手を差し出したのを見て、慌ててタママもタッチする。慣れてないそのしぐさに、クルルがク〜クックックと笑った。

 隊長ならあっちだぜぇ〜。と言うクルルの言葉に従い進んでいくと、テントから二人を見かけ、ケロロが急いで走ってくる。

「ギロロ伍長、タママ二等、大丈夫でありますか?」

 無事だと報告は受けていたが、自分の目で確かめて安堵の表情をケロロが浮かべる。

「ああ、二人とも問題ない」

 ギロロの言葉に、ケロロが感謝の気持ちを込めて頷いた。

「軍曹さーん!」

 感極まったように叫び、ススと汗、埃でドロドロになったタママが、ケロロに飛びつく。

 ケロロは嫌がりもせずに飛びついてきたタママを抱きしめた。

「お帰り。よく頑張ったであります二人とも」

 タママのかわいい顔にべっとりとついたススを手でぬぐってやりながら、ケロロが労をねぎらって言う。

 ケロロがぽんぽんとタママの背中を叩いてやっていると、ギロロがすっとケロロに近づいた。

「無理言ってすまなかった」

 ギロロが言っているのは、救援の申し出を断わり、タママ二等と二人で脱出した事についてだ。

 戦闘に不慣れなタママを連れて脱出するギロロが一番大変だったに違いないのだが、タママの安否を心配していたケロロにそう言う。

「我慢してる方が辛かったよ、実際。でもギロロだからさ、安心して任せられたであります」

 ケロロの言葉には、ギロロに対する深い信頼がにじみ出ている。

 二人の会話を聞き、庇護されるだけ、心配されるだけの自分をタママは恥ずかしく思った。


「タママ二等はどう?」

「これに懲りて国に帰るか?」

 どこか心配そうに二人がタママを見てそう言った。

タママが、一番最初に味わったにしては、へヴィでパンチの効いた現実に怖気づいたのではないかと思ったのだ。

「帰らないですぅ!」

 四肢をふんばり、タママがきっと目を吊り上げて言う。

「ボク、ケロロ小隊に相応しくなりたいですぅ! だからっ、お願いします。ボクを外さないでほしいですぅ」

 タママの一生懸命なその姿に、ケロロとギロロに思わず笑みがこぼれた。

「何言ってんの」

 ケロロがそう言って、タママの頭をぽんぽんと軽く叩いた。

「タママはケロロ小隊の一員であります。国に帰るって言わないでくれてありがとね」

「軍曹さぁん……」

 目をウルウルさせ、ぎゅっとケロロに抱きついたタママを、ケロロが目を細めて見ている。


「で、二人に朗報」

 感動してぐすぐすと泣きじゃくるタママをそっと自分から離して、ケロロが言った。

「なんだ?」

「レンタル中だったゼロロ兵長が帰ってきたであります」

「ゼロロがか、ありがたい!」

 ケロロの言葉に、ギロロの声に喜色が混じる。

 ケロン軍最強の精鋭部隊「アサシン」の元トップであるゼロロは、その優秀さゆえに他の作戦に貸し出されることも多く、強すぎるのも考えものだとケロロはぼやいていたのだが、そのゼロロが先刻ようやくケロロ小隊に帰ってきたのだ。

「さっきまでギロロ達がいたB−3地区ね。行ったよ。もう夜だし制圧は時間の問題じゃないかなあ?」

「そうだな」

 二人の会話が理解できなくて、おもわずタママが声を上げた。

「え?」

 ケロロとギロロ、二人の目がタママに注がれる。

「ゼロロ先輩、一人で行ったんですかぁ?」

「うん、一人で」

 当たり前のように頷くケロロに、タママがおろおろとした。

「だってあそこにはたくさん敵が……」

「お前はゼロロをよく知らんだろうが、やつはそういう兵だ」

「ギロロもだけどね。助かったであります。詳しい情報送ってくれて」

「斥候が目的だったのだから当たり前だろうが」

 新兵であるタママに経験を積ませ、敵兵に囲まれた危機的状況から脱出し、なおかつ的確で必要な情報を送る。


 超人的な働きをするギロロ伍長に、先ほど自分が命からがら逃げ出してきた戦場へ一人で赴いたと言うゼロロ兵長。


「一人で……」

 タママが思わず呟き、ごくりと唾を飲み込んだ。


 ボク、本当に凄い人達と一緒にいるんですぅ。


「今ごろ、崩れた建物の上で月明かりでも浴びてるよ、ゼロロは」

「そう、そして動いている人影は奴以外にはいない……」

 よほどゼロロを信用しているのか、呑気に話す二人に心配の色は全く見えない。

 

凄い、ですぅ。


「軍曹さん、ギロロ先輩」

 決意を秘めたタママの言葉に、二人が振り向く。

「ん?」

「なんだ」

 二人の目の先には、闘志に燃えたタママ二等兵の姿があった。

「ボク、頑張るですぅ!!」

 タママが力強くそう言うと、ケロロの口にふっと笑みが浮かぶ。

 凄すぎる周りに押しつぶされず、むしろそれをばねにしてがむしゃらに前へ進もうとするタママの姿は好ましかった。小隊に新しい風を送ってくれる。


 それこそが新兵の役割であります。


「ようこそ、ケロロ小隊へ。ようこそ、戦場へ! 我々はタママ二等の着任を歓迎するであります!」

 びしっと敬礼し、タママにそう言うケロロを見て、タママはようやっと自分が本当の意味でケロロ小隊の一員になれたのだと感じた。




ENDE


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